過去を捨てたがった女
暮らしていこうとすればその女を金に換えるしかなかった。 腹をくくって事に当たると面白いように漢が名乗りを上げる。 しかし長続きはしなかった。 へそくりが尽きると漢はどこかへ消えるのである。
終いには己が遊びたくてつぎ込んでおいてそのお金が惜しくなり女を売ろうとした。 女の方も故郷を捨てた時からそれは心得ていて漢の言うままに従った。 こうしてそれなりに生活できるお金を蓄えることが出来たのである。
だが問題はそこから始まった。 商売だろうが慰み者だろうがひとつ屋根の下の漢が居ないことには心穏やかでいられないのである。
警戒に警戒を重ねたつもりだったが故郷を離れたがった原因でもある独り立ちが出来なくなっていた。
あとはもう漢の言いなりだった。 漢とは不思議なもので最初は己が唯一の漢であろうとするが日々の生活に慣れてくると元はと言えば多くの漢の間を流れて来ている。 そういった女の心根を探ろうとした。 本気で惚れて一緒に暮らしてくれてるかをだ。 他の漢に抱かせ、抗う気持ちと欲情とどちらが勝つかその目で確かめたかったのだ。
いざ公言してみると名乗りを上げる漢はごまんといた。 一緒に暮らし始めてからというものアチラの話しをするとうまい具合に話しを合わせてくれる。 それでいて浮ついた様子は見られない。 何時しか漢はこの女は俺に惚れてて何でも言うことをきくのではないかと勘違いし性癖も手伝って貸し出しに応じてみた。
この程度でしか自分を必要としてくれて無いんだと気づきはしたものの女は、かと言って独りで生きて行けるわけもなくこれに応じた。
漢ひとりの稼ぎでは生活費が補えなくて女も働きに出ていたが貸し出しと聞いて集まってきた漢どもが騒ぎ立て、女は職場を追われた。 追われたと言うより居場所がなくなり自分の方から身を引いた。
こうなるとただ単に性癖を満たしたいがため不特定多数の漢に女を与えていたのを止めざるを得なくなり、しかも女が稼がなくなったことでふたりの間に軋轢が生まれ別れた。
これで何もかも最初からやり直しと考えていた女。 ところが漢はそうはいかなかった。 ヤリたい時に肝心の女がいない。 頭を下げて戻って来てくれるよう頼むなどというのはプライドが許さない。 そこで嫌がらせと言おうかこれまで撮り貯めた動画や画像の流出が始まった。
ネットの世界に境界は無く何処に逃げてもたちまち身分が明かされ漢どもが集まってくる。 何度そんなことはやらないでと懇願しても効果があると見た漢は拍車をかけネット拡散し始めた。
あの漢が居てはこれからの生活が成り立たないと見た女が動いた。 漢を当てがっておいて行為がなされたとみるや相手を強請ったりしていたくせにその分け前を寄こすことなどまるでなかった身勝手さにキレたと言っていい。
大人の世界を汚いものと決めつける年下の漢の子が彼女の側についてくれて貸し出しを強請りをやらかす漢を脅し上げてくれた。
一旦敵とみなすとどんな手段に訴えても命を付け狙う漢の子の存在が怖く、二度と手を出さなくなった。 生活を支える為イヤな風俗に身を沈めなきゃならなくなったがそれでもやっと過去を捨てることが出来たのだ。
- 関連記事
-
-
訪問介護員による排尿介助 2023/08/30
-
過去を捨てたがった女 2023/08/26
-
屈辱の四つん這い交尾 (輪姦・凌辱) が弱いもの (年下) に走る原動力となる 2023/08/25
-
その他連絡事項
- 官能小説『知佳の美貌録「お泊まりデート」 彼のマンションから朝帰りする久美の次女瑠美』
- 小説『残照 序章』
- 小説『残照』
- 官能小説『ひそかに心を寄せる茶店の女店主』
- 官能小説『父親の面影を追い求め』
- 掘割の畔に棲む女

- 残照
- 老いらくの恋
- ヒトツバタゴの咲く島で
アップデート 2025/01/11 07:10
投稿記事へのコメントをお待ちしています。
ぶろぐ村は幅広い分野のブログを閲覧できることが魅力の日本で唯一の検索エンジンです。
にほんブログ村が提供する「ブログみる」はインストールが簡単で、いろんなブログをストレスなく見ることが出来ます。
例えばスマホ版をご利用の場合、いつでもどこでも好きな時間に好きなだけブログを見ることが出来ます。
ご利用法>>>
バナーをクリックしていただくと、1つのリンクだけで下記3リンクへ自動で振り分けられるページに移動できます。
※閲覧する端末ごとに遷移先が分かれています。
- ブログみる Android版
- ブログみる iOS版
- ブログみる 公式サイト
直接各々のアプリにアクセスご希望の方はこちら>>>
PR